【レビュー】めがね

たそがれるには、いい日だな。
思わずそう、口に出すほど、印象深い作品。
何度も見直しているが、その度に、違った発見があるのも面白い。

楽しい事や、嬉しい事。嫌な事や、辛い事。
どんな時でも、ちょっと休憩したくなる時がある。
ちょっとだけ、立ち止まって、時間の流れに身を委ねたくなる。
そんな時に、見返すような機会が降ってくる。

物語としては、ヨモギが現れてからの方が、見やすくはあるが、今回は前半部分の話の内容が妙に心に残った。
単純に、なんで仲良く出来ないんだろう、とか、人見知りで、付き合いが悪いなあ、という風に今までは思っていたのだが。
今まで自らが属していた世界から、ちょっと価値観が違う場所に飛び込んだときの戸惑い。
誰にでもあるが、それに対して、上手く合わせれなかったのだ。
疲れきった後に、サクラの自転車で救われるまでは。

人の暖かさに触れて、どう返せばいいかわからなくなる事なんて、良くあるでしょう。
そんな無償の愛とも呼べるものに対して、受け入れられるかどうかは、自分次第。
人の気持ちへ、答えれるのは、自分次第なのだ。

ふと思ったのは、冬から春にかけて、登場人物が、
あ…
とか、
きた
と言うシーン。
季節の変わり目を、感じていたんだと思う。
あの、風の匂いが変わる感じ。
明確に、世界が切り替わる感じを。

個人的に、全員でかき氷を食べる所と、浜辺でビールを飲む所が気に入っている。
特に後者は、おそらく、ヨモギのかき氷へのお礼なのだろうが、
ドイツ語?での話に、皆が注目してからのちょっとした時間は、さざ波とあいまって、
ああ、この場に何故居合わせれないのだろう、と毎回思う。

自分の人生に対して、違った目線で見れるようになる。
僕は、18歳からの 6年間に対して、初めて、輝かしいものだったな、と思う事が出来た。今日。

ふとした時に、何度も見直す作品です。


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