【レビュー】モテキ

なんというか、こう、 30歳前後の男子に見てほしい内容である。 見る側の性格、好みによるが、 びっくりする程共感出来る部分が多々ある筈だ。 時に嬉しく、時に悲しく。 男とはこういう生き物。ドラマ版モテキの1年後の設定の本作。 主人公は相変わらずう…

【レビュー】バグダッド・カフェ

物語の前半と後半で印象が様変わりする。 この、人間関係においても言える事が、詰まっている。 他人に受け入れられるか否か。 世界はそこから、見せ方を変える。ラスベガス近郊のバグダッドカフェに、 砂漠のハイウェイに置き去りにされた主人公が辿りつく…

【レビュー】人のセックスを笑うな

http://http://www.youtube.com/watch?v=5oMvKDWRVsA若干ではあるが、観る側のスキルが要求されるやもしれない。 どちらの視点で見るか、という事において。 女性であれば、問題なさそうだが、 男性目線で見ると、腑に落ちないやも。 なんて事はない、関係性…

【レビュー】9 〜9番目の奇妙な人形〜

なんともRPG的キャラ分けである。 個々のオリジナリティは際立っている為、 非常に見やすい構造。 不必要なキャラや敵も登場せず、 シンプルな話も良いものだな、と。主人公の9が目覚めた時、世界は荒廃していた。 訳も分からず外へ迷い出て、仲間と出会うが…

【レビュー】パーフェクト・ワールド

説明過多は不要。 そう言われているかのような、 あっさりとして、淡々としたラスト。 もしかすると、お涙頂戴の脚色なんかいらないのか。脱獄囚の主人公が、少年を人質に取り逃避行を始める。 目的地は、彼の父親が居るかもしれないアラスカ。 後は言わずと…

【レビュー】ロッキー・ホラー・ショー

初見で分からない部分も、二度観する事である程度は理解出来る。 逆に言えば、??となる所も多い。そんな作品。 でも、観た側に残すインパクトは、大きい。 曲が頭から離れない。友人の結婚式後にプロポーズした2人が、 山道で車がパンクしてしまい、城に迷…

【レビュー】トレインスポッティング

全体を通しての疾走感。 悪辣とさえ思えるシーンですら、軽快な曲調の音楽によって、 スタイリッシュな何か、へと変貌する。ヘロイン中毒の主人公とその仲間達。 彼等の生き様は、他に選択肢がなかったのかとも思えるが。 認識出来る現実、選択肢はそこだけ…

【レビュー】バッファロー'66

いや、正直な所、最後の結末に文句はない。 ただ、そこに至るまでの過程が、理解し難い部分がある事も確か。主人公の生い立ちを追う部分を、 途中で誘拐する少女を狂言回し的扱いとして説明させる構成。 また、彼女の存在は主目的を果たそうとする流れにおい…

【レビュー】ミッション: 8ミニッツ

別に、だまされるという事もない。 ただ、ラストのオチは読めても、やるかやらないか、それだけの違いだ。 よくありがちな、登場人物を殺した上でハッピーエンドにする為に、 ご都合主義的に復活させるかのような。主人公は列車の中で記憶がないまま目覚める…

【レビュー】リベリオン

なんともニヤニヤしてしまうのである。 良くも悪くも。 B級的魅力と、残念な部分とが上手い具合に均衡を”取れてしまった”。争いのない世界を作るため、 薬物投与と、芸術の放棄により人間の感情が抑制された社会。 感情がある、と判断されれば、捜査官により…

【レビュー】猿の惑星: 創世記

今までのシリーズを知っているかどうかで印象が変わる気もするが。 本作だけでも、まあ、うーん、といった所か。 トリビュートといった方がしっくりくるかもしれない。アルツハイマー治療の新薬実験で驚異的な知能向上を見せた猿の子供が主役。 シーザーと名…

【レビュー】タクシードライバー

劇中に流れる曲の雰囲気とは逆に、 内容としては退廃的な印象を常に受け続ける。 主人公の、日々におけるやるせなさ、いらだち、 焦りといった今も昔も変わらぬ、 あの感情群にどうしようもなく振り回される様は、 鑑賞側に共感させてくるのではないだろうか…

【レビュー】シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

脚本が良くなっている、というより、 そもそもモリアーティ教授との対決を全面に押し出した所が高評価の要因では。 若干中だるみ感も否めないが、全体的に面白い。天才同士の争い、追いつ追われつの激しい攻防。 シャーロックホームズ、といった媒体を知らず…

【レビュー】ダンス・ウィズ・ウルブズ

開拓、かくありき。 序盤では未踏の地に踏み込む様子が描かれる。 後半では一変、土地を追われる側に。南北戦争で英雄となった主人公は、 自らの意思でフロンティアの最前線へ赴く。 そこは見渡す限りの草原、荒野であり、 インディアンが暮らす土地であった…

【レビュー】アジョシ

抱きしめたくても、触れる事の出来ない瞬間。 けれど、最後に一度だけ。 その一度の包容に、どれだけ救われる事だろうか。 お互いに。大筋としては良くありがちな奪還、復讐劇なのだが。 アクションの質、撮り方には目を見張るものがある。 また、2時間前後…

【レビュー】トゥルー・グリット

なんとも淡々と事が運ぶ印象が強い。 レトロな作風、というわけでもないが、 現実味、により近いのではないか。西部劇、かつ復讐物といったテンプレ構造ではあるが、 どちらかといえば、感心しながら観る類い。 特筆すべき見所、といった点が挙げられないが…

【レビュー】グリーン・ランタン

わからんでもない。 やりたい事も、どういう意図で制作されたかも。 ただ、どうしてもパワー不足感は否めない。 背景の説明に大半かかってしまって、 見せ場がほとんどなかった事がなんとも。概要としては、 グリーンランタンと呼ばれる宇宙警察(の様なもの…

【レビュー】ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

はっきり言おう。 今作は、当たりだ。 年季の入ったトムが、 これでもかと言わんばかりに駆け回る。 ありきたりな、チープな演出も影を潜め、 また添え物の色恋沙汰もカット。 アクション大作らしい仕上がりだと感じる。物語はロシアの刑務所に”なぜか”収容…

【レビュー】あの頃ペニー・レインと

若干15歳の少年が、トントン拍子に大手の音楽雑誌の記者に抜擢され、 これまた偶然知り合ったバンドのツアーに同行する事になる。 ストーリー的なご都合感は否めないが、 主人公の行動力の賜物と考えれば特に違和感もない。 これがまた実話を基に作られて…

【レビュー】愛のむきだし

なっがい。 兎角、240分近い前後編の物語で、 それでも中だるみしないのは作品のクオリティというべきか。 前半は壮大な前フリ。 登場人物の関係性や生い立ちを事細かに説明した後の、 本編とも言える新興宗教へ入信した家族との壮絶な対話。 便宜上前後編と…

【レビュー】ミッション:インポッシブル2

全編通してジョンウー節大炸裂なのだが。 特筆すべきは冒頭のロッククライミング。 これ、多少齧った人間にはわかるが、そりゃもうセクシー。 且つ、常人じゃない。 いやいや、無理無理、って。 結果、イーサン、かっこいい、と。一作目からうって変わり、ア…

【レビュー】海の上のピアニスト

この結末は。 登場人物が述べているように、自らの無力さを嘆く。 生き方は多種多様、その中でどれだけ、どう感じるか。 主人公はこの生き方しか出来なかったとしても。 海の上、船から離れられなかったとしても。大西洋を渡る船の上で生まれ、 生涯下船する…

【レビュー】インモータルズ -神々の戦い-

そもそも何がいけないって、邦題サブタイトル。 神々の戦い、って付けた上であのPV。 そりゃあ、勘違いされてもしょうがない。 どちらかといえば、神々の凋落、だ。基本的なギリシャ神話の登場人物を把握していれば、 特に見る上での前提知識は必要ない。 逆…

【レビュー】ソラニン

全ては、最後のライブの為の布石、と言ってしまっていいのではないだろうか。 全編を通して語られる、主人公の心境が、 集約され、昇華される。 それでも、通過点の一つに過ぎないのだろうが。 その後も、日常が続いて行くのだから。 そのくらい、ソラニンの…

【レビュー】映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪

鑑賞前の予想に反し、 決して子供向けだけのエンターテインメントではない。 ミラクルライトの使用方法の事前説明は、 舞台観劇における前説、諸注意そのものである。 また、最後にダンスを鑑賞者と共に行うくだりは、 芸が細かいと感嘆する。ストーリーとし…

【レビュー】硫黄島からの手紙

自らも属す20、30代の世代において、 当時の知識は触り程度にしか知らない場合が多い。 硫黄島でどのような戦いがあったのか、 逆輸入的に学ぶ事になるのも、ある意味面白いが。クリントイーストウッドがメガホンを取った、 「父親達の星条旗」との連作。 こ…

【レビュー】世界最速のインディアン

映画において、手に汗握る、 のめり込んで応援してしまう時程、愉快な事はない。 本作は、そこを充分に味わわせてくれる。 なんと言われようと、夢追う姿は美しい。ニュージーランドに住むバートという老人が、 自ら作り上げた”インディアン”というオートバ…

【レビュー】ジャッカルの日

すれっすれの、ギリギリで暗殺を達成出来そうな、 本当にあと一歩、と。 暗殺者側も、警察側も、お互いなんと優秀な事か。 どちらの視点からも感情移入出来るのは、 中々面白い。舞台はフランス、1962年に終わった戦争の後、 大統領であるシャルルドゴールの…

【レビュー】アヒルと鴨のコインロッカー

どんでん、返される。 それもまた、いきなりの話ではなく。 徐々に、結果を予想出来る程度に 情報を小出しにされるのが憎らしい。新たな学生生活に向け、引っ越してきた椎名。 ボブディランの風に吹かれてを口ずさんでいると、 唐突に声をかけてくる隣人、河…

【レビュー】リボルバー

これまた、なんぞや、と。 そう思う人が続出する内容である。 そもそもこういった内容の映画は、 作り手側の意図を、観客にあえて分かりやすく伝えようとはしない。 そういった意味では、分からない、と言う事すら、 正しい鑑賞の仕方に他ならない。ギャンブ…