2011-01-01から1年間の記事一覧

【レビュー】あの頃ペニー・レインと

若干15歳の少年が、トントン拍子に大手の音楽雑誌の記者に抜擢され、 これまた偶然知り合ったバンドのツアーに同行する事になる。 ストーリー的なご都合感は否めないが、 主人公の行動力の賜物と考えれば特に違和感もない。 これがまた実話を基に作られて…

【レビュー】愛のむきだし

なっがい。 兎角、240分近い前後編の物語で、 それでも中だるみしないのは作品のクオリティというべきか。 前半は壮大な前フリ。 登場人物の関係性や生い立ちを事細かに説明した後の、 本編とも言える新興宗教へ入信した家族との壮絶な対話。 便宜上前後編と…

【レビュー】ミッション:インポッシブル2

全編通してジョンウー節大炸裂なのだが。 特筆すべきは冒頭のロッククライミング。 これ、多少齧った人間にはわかるが、そりゃもうセクシー。 且つ、常人じゃない。 いやいや、無理無理、って。 結果、イーサン、かっこいい、と。一作目からうって変わり、ア…

【レビュー】海の上のピアニスト

この結末は。 登場人物が述べているように、自らの無力さを嘆く。 生き方は多種多様、その中でどれだけ、どう感じるか。 主人公はこの生き方しか出来なかったとしても。 海の上、船から離れられなかったとしても。大西洋を渡る船の上で生まれ、 生涯下船する…

【レビュー】インモータルズ -神々の戦い-

そもそも何がいけないって、邦題サブタイトル。 神々の戦い、って付けた上であのPV。 そりゃあ、勘違いされてもしょうがない。 どちらかといえば、神々の凋落、だ。基本的なギリシャ神話の登場人物を把握していれば、 特に見る上での前提知識は必要ない。 逆…

【レビュー】ソラニン

全ては、最後のライブの為の布石、と言ってしまっていいのではないだろうか。 全編を通して語られる、主人公の心境が、 集約され、昇華される。 それでも、通過点の一つに過ぎないのだろうが。 その後も、日常が続いて行くのだから。 そのくらい、ソラニンの…

【レビュー】映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪

鑑賞前の予想に反し、 決して子供向けだけのエンターテインメントではない。 ミラクルライトの使用方法の事前説明は、 舞台観劇における前説、諸注意そのものである。 また、最後にダンスを鑑賞者と共に行うくだりは、 芸が細かいと感嘆する。ストーリーとし…

【レビュー】硫黄島からの手紙

自らも属す20、30代の世代において、 当時の知識は触り程度にしか知らない場合が多い。 硫黄島でどのような戦いがあったのか、 逆輸入的に学ぶ事になるのも、ある意味面白いが。クリントイーストウッドがメガホンを取った、 「父親達の星条旗」との連作。 こ…

【レビュー】世界最速のインディアン

映画において、手に汗握る、 のめり込んで応援してしまう時程、愉快な事はない。 本作は、そこを充分に味わわせてくれる。 なんと言われようと、夢追う姿は美しい。ニュージーランドに住むバートという老人が、 自ら作り上げた”インディアン”というオートバ…

【レビュー】ジャッカルの日

すれっすれの、ギリギリで暗殺を達成出来そうな、 本当にあと一歩、と。 暗殺者側も、警察側も、お互いなんと優秀な事か。 どちらの視点からも感情移入出来るのは、 中々面白い。舞台はフランス、1962年に終わった戦争の後、 大統領であるシャルルドゴールの…

【レビュー】アヒルと鴨のコインロッカー

どんでん、返される。 それもまた、いきなりの話ではなく。 徐々に、結果を予想出来る程度に 情報を小出しにされるのが憎らしい。新たな学生生活に向け、引っ越してきた椎名。 ボブディランの風に吹かれてを口ずさんでいると、 唐突に声をかけてくる隣人、河…

【レビュー】リボルバー

これまた、なんぞや、と。 そう思う人が続出する内容である。 そもそもこういった内容の映画は、 作り手側の意図を、観客にあえて分かりやすく伝えようとはしない。 そういった意味では、分からない、と言う事すら、 正しい鑑賞の仕方に他ならない。ギャンブ…

【レビュー】冷たい熱帯魚

タイトルの表記、には、それぞれ注力する部分だろう。 作品毎にベストなタイミングで入れてくるポイントだ。 で、本作だが。 タイミングも、フォントも、 突っ込みが思わず入るくらいの”ひどさ”が、 一周回って成り立っていた。タイトルのみならず。 本作の…

【レビュー】13人の刺客

2010年のリメイク版。 なんとまあ、斬ったはったですよ。 細かい台詞回しが理解しにくい所も少々あるが、メインはそこではなく。 ちょっとした、リアル無双が楽しめる。いわゆる狂った暴君を暗殺する為に、 選りすぐりのメンツを揃えて襲撃じゃ、と。 計画段…

【レビュー】バニラ・スカイ

精神と夢。 目に見え、認識している現実とは、似て異なるもの。 ある意味では補完関係にあるこの概念を、 どのように捉えているだろうか。主人公は金持ちで、ハンサム。 何不自由なく過ごし、 愛する人を見つけたかに思えた途端、 事故をきっかけに無惨な姿…

【レビュー】アデル/ファラオと復活の秘薬

なんとも、盛り上がりに欠けるな、と。 こう、あと一歩足りないのだ。 シリアスも、ユーモアも。植物人間となっている妹を助けるため、 古代エジプト、ファラオの秘術を求める主人公。 時同じくして、翼竜を復活させる事に成功した教授。 と、全く違う2つの…

【書評】マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/08メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 31回この商品を含むブログ (47件) を見る圧倒的だ。 3巻では、数々の”勝負”が行われる…

【レビュー】ファイト・クラブ

前半のサブリミナルが気になって気になって。 あれ、結局タイラーなわけか。主人公(名前で呼ばれない)は高級家具や服に囲まれた生活をおくっていたが、 常時不眠症だった。 医者に勧められ、参加した自助グループで束の間の安息を得るものの、 明らかに場…

【レビュー】燃えよドラゴン

一度ならず、聞いた事があるだろう。 あの、テーマである。 そして、あの、かけ声である。少林寺の教えに背き、裏で暗躍するハンを倒す為、 武術トーナメントに参加する主人公のリー。 また、それぞれの思惑を抱えた、ウィリアムスとローパーも加わり、 さな…

【レビュー】東京オアシス

今までのシリーズの中でも、ちょっと異質と言っても過言ではないだろう。 映画、というより朗読、に近い。 言葉のひとつひとつを吟味し、追いかけなければ、 この作品の良さはわからないのではないか。何か(現実、感情)から逃げている主人公、トウコ。 彼…

【レビュー】摩天楼を夢見て

ああ、これは演劇だ。 観たままの感想はそれだ。 わずかな舞台の上で、 登場人物の演技で構成された作品。 原作が戯曲であるのも納得。不動産会社で、成績を残せない人間はクビだ、とのお達しから始まる。 セールスマン4人と、監督する1人の計5人での演出の…

【レビュー】ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜

いやー、もう目頭潤んじゃうって。 別れ、さもありなん。 ただ、それは悲しい事じゃない。2011年公開のリメイク版。 おおまかなストーリーは旧作と同様だが、 各所現代版にアレンジ。 (細かいギャグに後年だと理解されないであろう内容も少々) おきまりの…

【レビュー】キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

古典的、かつ王道なストーリーと言えよう。 アメリカ、という国家の骨子を反映しているかのようでもあり。 弱者から強者へ、正義、自己犠牲、別れ等々、 全編にわたってふんだんに盛り込まれている。舞台は第二次世界大戦中のアメリカ、 軍隊への入隊を志願…

【レビュー】シンドラーのリスト

なんだこれ、なんなんだ。 鳴り響く銃声に、何度身をすくめたかわからない。 こうまでも無慈悲に、他愛もなく虐殺が行われるものなのか。 見続けるのが、とても辛かった。物語としてはホロコーストの最中、 ユダヤ人を雇って工場を経営していた男の話。 決し…

【レビュー】シェルブールの雨傘

ドヌーヴがすごい美人、っていうのは置いといて。 若かりし頃の恋愛にありがちな、状況の移り変わりによる心変わり、とでも言おうか。 全編歌い続けってのにも、割とびっくり。20歳と、16歳で、お互い愛している、結婚しよう、と約束をした所で、 そんなに上…

【レビュー】ミッション:インポッシブル

びっくりするくらい出来が良い。 (後続のシリーズについては、どうもアクションだけの○級映画のイメージが) 冒頭の任務失敗に陥るくだりは、本当にドキドキさせられる。不可解な謎、問題に直面した時、スパイならこう解決するぜ、のお手本のような鮮やかさ…

【レビュー】雨に唄えば

そりゃあもう、名シーンでしょう。雨の中のジーンケリーといえば。 見終わった後も、頭から離れなくなる事受け合いです。ストーリー構成は至ってシンプル、 トーキーへ移り変わる時代のハリウッドにおける、試行錯誤の連続のお話。 ミュージカル映画において…

【レビュー】七人の侍

陳腐な表現だとは思う、でも。 映画、かくありき。7人パーティーにおけるエンターテイメントの先駆けと言われている本作。 余分のなさ具合が、なんともシンプルではないか。侍は侍の、農民は農民の矜持や、生き方がはっきりある。 その中で、お互いの利益を…

【書評】猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/07/08メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 27回この商品を含むブログ (36件) を見る盤下の棋士、と呼ばれた小さな小さなリトル・アリョーヒン。 彼がチェスという果てのな…

【レビュー】ボビー・フィッシャーを探して

天才の苦悩、と言ってしまえばそれまでではある。 幼い少年が主人公となっている事で、善悪(選択)においても、 純粋かの様に見える。ある日、たまたま見かけた公園での賭けチェスに参加した主人公が、 周りも目の見張る様な活躍を見せ、 すぐにボビー・フ…