【レビュー】七人の侍

陳腐な表現だとは思う、でも。
映画、かくありき。

7人パーティーにおけるエンターテイメントの先駆けと言われている本作。
余分のなさ具合が、なんともシンプルではないか。

侍は侍の、農民は農民の矜持や、生き方がはっきりある。
その中で、お互いの利益を越えた部分での邂逅に、菊千代が一役買っている事は言うまでもない。
象徴としての旗印も、その部分を前提にはっきりと。

60年近く前の作品であるにも関わらず、これだけ面白いという事は、
物語の骨子次第で如何様にも表現出来るのだ、と感じる。

百姓として、村を守った。
災いは取り除かれた。
雇った侍を最大限に利用して。

侍は、「負け戦だった」と。
では、彼らが手に入れたものはなんだったのだろう。
事象には勝ち負け以上に、何かしらの結果がついて回る。

何も、なかったのではないだろうか。
本当に、何も。

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