【レビュー】アヒルと鴨のコインロッカー

どんでん、返される。
それもまた、いきなりの話ではなく。
徐々に、結果を予想出来る程度に
情報を小出しにされるのが憎らしい。

新たな学生生活に向け、引っ越してきた椎名。
ボブディランの風に吹かれてを口ずさんでいると、
唐突に声をかけてくる隣人、河崎。
慣れ慣れしく見える彼の話を聞いていただけの筈が、
何故か”本屋を襲撃しないか”、と持ちかけられ。
断りきれず、実際にモデルガンを持ちながら、
強奪行為に加担してしまう。
その行動がもたらす結果は。
そして、語られる2年前の話、とは。

時間軸が現在、2年前と大きく分けられ、
少しづつ真相が明かされて行く。

真相の過程は、ちょっと、無理がないか、と思われる部分も多少。
が、そこは映像作品とした際の必要悪でもあり、
俳優の良さ、そして、悪さである。
このフィクションに対して白けてしまうと、
気持ちが離れてしまうかもしれない。
各人の、感性次第である。

風に吹かれて、を口ずさむ後ろ姿を、
歓喜と期待が入り交じった気持ちで眺めたに違いない。
そして言葉にする。
「ディラン?」
と。

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