【レビュー】アデル/ファラオと復活の秘薬

なんとも、盛り上がりに欠けるな、と。
こう、あと一歩足りないのだ。
シリアスも、ユーモアも。

植物人間となっている妹を助けるため、
古代エジプト、ファラオの秘術を求める主人公。
時同じくして、翼竜を復活させる事に成功した教授。
と、全く違う2つのコンセプトを纏めた作品。

前述の通り、のめり込む事が出来ないのは、
おそらくどちらにも振り切れていなからだろう。
バイキングでつまみ食いをする様な感覚だ。

ハリウッドにありがちな贅沢なドタバタ感はないが、
フランス映画特有のもったりした空気は常にある。
ルーブルでまだ例の三角錐がない時代設定の為、
とあるキャラクターが「ピラミッドを作ればいい」、
といった趣旨の発言をした際には、流石に心得ているな、と。
最後に彼女が乗る船も物議をかもすものだが、
あれはもう続編への伏線でもなく、ブラックユーモアの類いだ。

気負いせずに、それこそ、つまみ食いをする感覚で、
味わってはいかがだろうか。

しっかし、邦題っていうのは的を得ないとこうなる、
とは良く言ったもので。

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