【レビュー】愛のむきだし
なっがい。
兎角、240分近い前後編の物語で、
それでも中だるみしないのは作品のクオリティというべきか。
前半は壮大な前フリ。
登場人物の関係性や生い立ちを事細かに説明した後の、
本編とも言える新興宗教へ入信した家族との壮絶な対話。
便宜上前後編として分けられているが、
一気に見る事をおススメしたい。
主人公は神父の息子、敬虔ともいえるクリスチャンであったが、
家庭環境のもつれから、自ら罪を作るようになる。
また、自らが求める”マリア”を見つける為に、
禁忌である性的な犯罪(盗撮)に勤しむ生活を続ける。
そんな日常の中、偶然女装している最中に出会った少女に衝撃を受け…。
ここまでじっくり様々なエピソードがあれば、
各キャラクターへの思い入れもその分膨らんでいく。
また、随所に登場する名優、怪優も花を添える。
じわじわくる日常生活の延長線上の、悪意。
理解されない事の苦しさ、厳しさ。
自らを正義、善とした場合、
対立する相手の言葉はこうも容易に”害”と映るのか、という事。
ただ。
そんな中にも、救いは、ある。
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