【レビュー】バッファロー'66
いや、正直な所、最後の結末に文句はない。
ただ、そこに至るまでの過程が、理解し難い部分がある事も確か。
主人公の生い立ちを追う部分を、
途中で誘拐する少女を狂言回し的扱いとして説明させる構成。
また、彼女の存在は主目的を果たそうとする流れにおいて、
ともすれば弱気になりがちな感情を鼓舞させる一助とも。
伝わってくるのは、主人公の人生に対するやるせなさ。
自暴自棄とも言い換えられるその行動に、
正当性はない。ただのエゴだ。
愛情をかけられていない、といった描写も多々。
だからこその、自宅に戻る直前や、
ラストの自らの未来の想像での、
両親の無情観が際立つ。
縋りたくなったのだろう、愛情に。
心穏やかに眠れたのではないだろうか。
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